ママ看護師の働き方とナースとしての職場環境について考えてキャリアを積む
ママ看護師に立ちはだかる壁
「働くママ」というのは、ただでさえ大変なことです。加えて看護師という職で働くのも大変なことですので、相乗効果で大変なことでもあります。共働きで看護師として働いているママさんナースも多いですが、悩みとして一番多いのも、子供や家庭と仕事の両立の部分での問題です。
特に、看護師は夜勤があれば夜勤中に誰が面倒をみるのか?夜勤中の子供が何かあったらどうしよう?等の問題があり、働き方や職場について悩む方が非常に多いです。
こうした看護職の大変なことだということは、理解した上で”働き方”についてどこをポイントにしていくのか?あるいは、どこの部分の条件を優先させるのか?というのを、事前に確認しておき両立可能な状態を目指すというのがまず大切なことになります。
立ちはだかる壁の前に「作戦」を練っておくことはとても大切なことです。
家庭とお仕事の両立という大きな壁
ただでさえ大変な仕事と家庭の中での役割を同時にこなさないといけないというのは、思っている以上に大変なことです。家族の全面的なバックアップや思いやりのある行動を「常に」してくれるのなら話は別ですが、ママとして「出来ることも可能であればしたい」というのがママ看護師の本音でしょう。
子供のかわいい時期や大切な時期というのは案外、早く過ぎてしまうものです。ママとして出来ることも精一杯やってあげたいという本音と、現実の間での板挟みというのは、考えずとも大変なのは言うまでもありません。
両立させるために、看護師としての働き方を真剣に考える"必要"と"理由"がここに生まれるのはそのためです。簡単に考えずに、働くための条件と譲れないポイントはしっかりと考えておきましょう。
ママさんナースの働き方
子供の成長に合わせた職場と働き方を選ぶ
@近くのクリニックで外来業務
お子さんが小さい時は、お母さんがいてくれるに越したことはありません。夜勤ありの職場ですと旦那さんや親戚の協力も絶対必要となるため、周囲の気持ちや環境も考慮しなくてはなりません。
手間のかかる子供が小さい時は、近くのクリニックで時短勤務で働くか、シフト勤務で時間を調整できる所で働くのもいいでしょう。
育児環境 |
◎ |
時間 |
◎ |
---|---|
負担 |
少ない |
お給料 |
△ |
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A訪問看護サービスで勤務(オンコールなし)
訪問看護サービスは、訪問看護と往診の二つがあります。看護師主体の訪問看護とお医師さんと一緒の往診という二つの種類ががあります。(仕事内容として多いのは訪問看護になります)
看護師の給料として考えるとクリニックの外来と比べると高い傾向があります。在宅訪問なので、それなりに現場経験も必要ですし、難しさも出てきます。お子さんのいる経験豊富なママさんナースにとっては、お給料もそこそこで、オンコールなし(夜対応なし)の職場も検討してみてもいいでしょう。
育児環境 |
〇 |
時間 |
〇 |
---|---|
負担 |
経験が必要 |
お給料 |
〇 |
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B介護老人保健施設での勤務
介護施設は日勤のみであったり、重篤患者がいない割とゆったりとした環境という点でママさん看護師にとって魅力的な職場でもあります。
ある程度の経験はあった方が良いですが、それ程高度なことは求められないため、ブランク組のママさん看護師でも働ける職場です。臨床から離れてずっと老健施設で勤務するとなると、臨床へ戻りたいと思った時に、なかなか採用してもらえない可能性がありますので、注意が必要です。
育児環境 |
〇 |
時間 |
◎ |
---|---|
負担 |
介助時等の体力面の負担あり |
お給料 |
△ |
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C院内保育がある総合病院での勤務
これは、病院自体が限られてくるケースになりますが、院内に保育施設がある総合病院で働くという手段です。総合病院なので多少の病気なら院内の小児科で見てくるケースもあるのでママさんナースにとってはうれしい施設でしょう。
働き方としては、子供を預けて従来通りの夜勤業務や日勤をするという形になるので、身体への負担という意味では従来通り割と大きい働き方になるでしょうただ、身近に子供を預けられて病気の心配もないという意味では、検討の余地のある働き方になると思います。
育児環境 |
◎ |
時間 |
× |
---|---|
負担 |
夜勤あり |
お給料 |
◎ |
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ママさん看護師の子育てと仕事についての実際の悩みの声
看護師歴10年 32歳 1児の母
勤続5年の100床もない病院の常勤で勤務しています。常勤の職員は、夜勤必須で委員会やら勉強会で残業多いです。育休を取らせてもらい、わりと長く勤務できている病院ではありますが、夜勤の時は旦那と母(自分の実母)に面倒を見てもらっているのですが、旦那も消耗気味で、私も子供のことが気がかりで、夜勤中に仕事をしてしまっている罪悪感がぬぐえません。
これから子供に掛かるお金も考え、生活面で私の収入も大切だと思う反面、子供と過ごす時間を減らしてまで働く理由があるのかも迷っています。面談の時に「退職を考えている」と伝えたこともありましたが、人数も限られていることから師長には止められたのと、病院にはお世話になっている部分も含め決断を下せずに悩んでいます。
看護師 35歳 2児の母
去年の春から次男の育休明けで職場復帰。ここ3ヵ月あたりから長男(5歳)が『ママ夜勤に行かないでー』や『夜仕事やめてー』と言われてしまいます。
長男は特に次男が生まれたこともあり、私が夜いないことに対してとても嫌らしく泣かれてしまいます。転職すれば良い話でもありますが、生活を考えるとなかなか踏ん切りがつきません。
看護師の選択肢としてのキャリアを考える
- 大学病院でのキャリア
- 診療所・クリニックでのキャリア
- 療養看護でキャリア
- 企業・産業看護師でのキャリア
- 訪問看護でのキャリア
- パートタイム、派遣看護師としてのキャリア
先端医療、総合医療現場としての多様なキャリア形成が可能な総合病院勤務は、がっつりと看護業務を学びたいという人におすすめの就業先となります。専門性を高めたいという方や臨床の現場でバリバリ働きたいという方は、大学病院で看護師のキャリアを積むのが良いでしょう。それぞれのメリットデメリットは、こちらで紹介しています。
自宅の近所での勤務、看護師としての仕事と家庭の両立を考えるなら選択肢として考えたい診療所・クリニックでの業務。フルタイムでがっつりお金を稼ぐというより、仕事もプライベートもバランスを取りながら仕事をしたいという方におすすめのキャリアです。クリニックや診療所によってそれぞれの職場の雰囲気やルールといったものが異なりますが、両立を考えるなら探してみるのもGOODです。
積極的な医療行為としての看護ではなく、ターミナル期の患者さんに対して丁寧な看護をしたいという方や自宅療養、老人ホーム等で患者さんと距離を近くに感じながら看護業務に取り組みたいと感じている方にはお勧めの働き方です。"看護"のあるべき姿を考えているという方は、選択肢として考えてみるのもいいでしょう。
企業や産業組織に勤務しながら働く人をサポートする仕事に興味のある方はおすすめの職場です。看護師ではあるけれども会社員としてその企業で働きたいという方。一般的な看護師としてというよりも企業で働く人のサポートをしてみたいという人、一般的なOLのような生活がしたいという方は頭に入れておきたい働き方のひとつになります。
将来の日本の医療としても注目される「訪問看護」の分野。自宅で看護が必要な人向けに、より細かな対応や看護師としてのホスピタリティをもって仕事ができる働き方になります。対応地域や網羅する範囲によって大変さや時間的拘束の違いはありますが、より患者さんのためやその家族のために仕事ができるという意味で今後重要性が増すとされている業態になります。
出産、育児期に重宝するのがパート、アルバイトでの働き方になります。子供があっという間に育つ間、家庭の方も大切にしたいという人は、こういった働き方を有効活用しながら働いていくのはとても大切なことです。
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今、どのようにママさん看護師として働くのがベストなのか?
ママさん看護師の働き方としては、一概にこれがいい。あれはダメというのは中々難しいと思います。ご家庭それぞれの事情がありますし、家庭の役割、親戚の距離など色々な事情が複合的に重なってきますので、まずは自分がどうしたいのか?というのをしっかりと見つめなおす必要があるでしょう。
・子供の成長と仕事、どこまで両立するべきなのか?
・家庭としてどれくらい収入が必要なのか?
・家族としてどこまで協力できるのか?
・将来的に看護師としてどう働きたいのか?
なども合わせてママさん看護師として働き方を考えていくのが望ましいでしょう。
ママさん看護師の働き方を実際に調べてみる探してみる
働き方について大枠が決まったら次に、実際にどのような求人や仕事内容で募集があるのか?を見てみるのも非常に大切です。
・周辺地域にそもそも夜勤なしのクリニックがあるのか?
・オンコールなしの訪問看護ステーションがあるのか?
・適切な勤務環境の介護老人保健施設があるのか?
・保育施設のある病院が近くにあるのか?
など、次に実施するべきこととしては具体的にどんな働き先があるのかを確認するべきでしょう。そうしないといつまでたっても、答えを導き出せず現状維持になります。働き方や勤務体系をみて比較検討してみえて、最終的に判断するのがベストです。しっかりと家族と相談しましょう。
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現職場先の関係者との話合いよりも家族会議を
現職場での面談や師長との話し合いでは、仮に退職を切り出したとしても、引き留められるのがオチです。妥協点として外来への移動を進められるくらいでしょう。
そもそも、今師長や部長になっている人は「自分はこうだった」「私の時代はこうした」という潜在意識があるのに加え、管理職ですから、業務遂行上引き留めるのが仕事でもあるでしょう。
返ってくる言葉がわかっているなら、今度自分がどうしたいのか?家族としてどうするべきか?という問題は、職場と相談するのではなく、家族との話合いを持つべきでしょう。
看護師家庭とお仕事の壁のポイント
家庭と仕事は両方とも大変です。大変だからこそ、仕事で「出来る範囲とできない範囲」を明確にしておきましょう。
・日勤しかできない
・定時でなるべく帰りたい
こういった希望もしっかりリストアップしておくことが大切です。
ママさんナースの実態
言うまでもなくママとしてできる範囲というのも限られています。夫(妻)の協力を仰いだり、しっかりと話しあいをしておくことはとても大切です
看護師の仕事がどれだけ大変か理解できていないようなら、徹底的に話し合いをして、家庭を一緒に守っていく意識を共有するべきです。どちらか一方に負担が大きくて、不満が溜まっていく環境こそが、子供に悪影響です。
そもそもの話になりますが、子供は私たちが思っている以上に早く育ちます。その日々を消化していくなかで、家族の役割であったりママの役割や存在というのはとても大きなものになります。
子供との時間を削って働く必要は本来ありません。むしろ、その時間を大切にしつつ、仕事ができる環境を「なんとか」見つけ出し、転職するべきでしょう。
看護師の高い離職率を重く受け止め、ワークライフバランス、働く環境を整備いている病院も多くあります。そういった病院で働けるように情報収集と準備をしておくべきでしょう。
仕事でのストレスと働き方の壁
看護師の転職や離職理由の大半が実は、人間関係であるという結果もデータで出ていたりしますが、働く人たちやその職場での関係というのは、ダイレクトにモチベーションやメンタルに影響があるのは、言うまでもないでしょう。
働く前に確認しておきたいポイントと、仕事でのストレスを家庭に持ち込まないためにも、しっかりと確認し職場でのストレスを極力なくすように準備をしたほうがいいでしょう。
仕事でストレスを持ち込まないためのポイント
働くママにとって、子供や家庭が大切というのは当然のことでしょう。仕事に影響があったとしても、最小限に当然努めますが、それでも場合によっては、職場に迷惑を掛けてしまうケースも中にはあるでしょう。
そういった時に、ママさん看護師の状況を理解してくれるかどうか?というのはとても大きなポイントとなってきます。「後ろ指される」ような環境では、まず働きづらいですし、そういう職場であれば疲弊してしまうのは目に見えています。
働くママさん看護師がいるかどうか?職場に理解があるかどうか?というポイントもしっかりと確認しておくべきでしょう。
@の「ママさん看護師に理解のある職場」の部分と重複してしまう部分にもなりますが、職場への影響を最小限にするためにも、制度として「時短制度」や「託児所」の有無等は、事前に確認しといた方がいいでしょう。
「託児所」付きの職場というとわりと大きな病院での話になることが多いですが、制度や福利厚生という面でも、仕事先を探すアプローチをしていく方が賢い方法になるでしょう。
面接や採用の現場にいった際には、それとなく「過去に利用者がいるかどうか?」「制度として機能しているかどうか?」という点もさりげなく聞けるといいでしょう。
そもそもの話として、常勤での勤務にこだわりがないようであれば、ストレスも最小限に抑えられる「単発」での仕事や「パート」での仕事も視野に入れるのも選択肢としてのひとつです。
もちろん、単発のバイトやパートの仕事にも小さなストレスは当然あるでしょうが、常勤でバッチリ責任のある中で仕事をするのとでは、大分違うのが正直なところでしょう。
子供がまだ小さいとか、何かと風邪や病気がちだ。というケースでは、単発での仕事や定時で帰れるようなパートでの勤務という選択肢を考えるのもひとつのポイントです。
看護師としての働き方を確認しよう
働くママとして、家庭の両立や仕事でのストレスをなるべく考慮した職場探しというのはとても大切で、重要なことになりますが、看護師として"どう働きたいのか?"あるいは"どうなりたいのか?"という視点で職場を考えるのも大切です。
実際に仕事を探すあるいはする上で、気を付けたいポイントと仕事へ対するイメージについてまとめていますので、参考にしてみてください。
譲れないポイントと優先事項をチェック
・負担が大きいので、夜勤ナシ
・日勤のみでなるべく定時で帰りたい
・家族の時間も確保したいので土日は休み
など
自分が看護師として、あるいはママとして働くために絶対に必要なポイントをあらかじめリストアップしておくと、いざ求人を探す時になってもスムーズに転職先候補を見つけることができるでしょう。
この部分がおろそかだと、雇用条件等もあやふやなまま転職活動を進めてしまう結果にもなりかねませんので、自分の中で譲れない所や条件というのを書き出しておくのがおすすめです。
看護師としての働き方を考える
- 大学病院での働き方:先端医療、総合医療現場としての多様なキャリア形成が可能な総合病院勤務は、がっつりと看護業務を学びたいという人におすすめの就業先となります。
- 診療所・クリニックでの働き方:自宅の近所での勤務、看護師としての仕事と家庭の両立を考えるなら選択肢として考えたい診療所・クリニックでの業務。それぞれの職場の雰囲気やルールといったものが異なりますが、両立を考えるなら探してみるのもGOOD
- 療養看護で働き方:ターミナル期や自宅療養、老人ホーム等で患者さんと距離を近く感じながら看護業務に取り組みたい。"看護"のあるべき姿を考えているという方は、選択肢として考えてみるのもいいでしょう。
- 企業・産業看護師での働き方:会社員としてその企業で働きたいという方。一般的な看護師としてではなく、その企業で働く人のサポートをしてみたいという人、一般的なOLのような生活がしたいという方は頭に入れておきたい働き方のひとつになります。
- 訪問看護での働き方:人対人の看護という意味では、より看護師としてのホスピタリティが大切な業務。訪問する大変さはありますが、より患者さんのためやその家族のために仕事ができるという意味で今後重要性が増すとされている業態になります。
- パートタイム、派遣看護師としての働き方:出産、育児期に重宝するのがパート、アルバイトでの働き方になります。子供があっという間に育つ間、家庭の方も大切にしたいという人は、こういった働き方を有効活用しながら働いていくのはとても大切なことです。
仕事として選んだ「看護師」と、こうありたい「自分」
看護師を目指したキッカケというのは、様々かとは思います。そして、実際にこの仕事に就いてみて現場から思うこと、理想と現実の違いや狭間の中で改めて考え直すこともあるかとは思います。キャリアや仕事観というのも実際、人それぞれでしょう。
とはいえ、その中で今後仕事として付き合う「看護師」について、どう折り合いをつけていくのか?というのも非常に大切なことです。
「ただなんとなく働く」ではなくて、将来「こういう看護師でありたい」とイメージするのとしないのとでは、看護師を続けるモチベーションも仕事をしていくメンタル的にも大きな違いがあるでしょう。大変な職場だからこそ、看護師職を見つめなおし、自分の将来についてイメージを持つことはとても大切なことです。
看護師の働き方を考えるために転職という選択
仕事で犠牲になるもの子育てで犠牲になるもの
日勤のみで夜勤ナシだと、収入面では確実に落ちます。その代わり、時間を得られ自分が子育てに従事できます。失うものは収入額。得るものは時間。それに比例して犠牲するものとしては、自分の服、車など(贅沢しやすい所)でしょう。代わりに得るものは、小さい頃に子供と一緒に過ごす時間です。
色々な考え方や賛否両論あると思いますが、お金で何とかなるものっていうのは、今すぐじゃなくてもいつかまたたくさん働けば手に入るものでもあるでしょう。子どもは常に成長していますし、時間も流れていきます。あの時こうしていれば…って思っても過去には戻れないので、それぞれを考慮して判断するのがベストです。
判断材料として転職サイトを利用し職場を探してみる
離職率の高い看護師は、求人も多く様々な周囲の求人が出ています。地域毎の求人もそうですし、職場毎の求人や、条件ごとの求人など、さまざまな設定を元に検索できるようになっています。
加えて、非公開(そのサイト専属の求人)等もあるため、職安(いわゆるハローワーク)等に出ていない求人もありますので実際に検索してみるのがいいでしょう。条件を確認して、どんな働き方を選ぶのかも含め判断材料として求人を見てみるのがおすすめです。
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電話対応時間 | 10:00〜20:00 |
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